10月27日 決算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 まず、墨田区職員のワークライフバランスについてお伺いします。
 日本人は、働き過ぎると思います。多くのサラリーマンは、残業が多くて休暇も少ないです。しかし、よく働いている割には労働生産性は低いと言われています。つまりだらだら働いていて、職場にいる時間が長くなる。そして残業代をもらって会社にも負担が掛かる。このような状況が現実だと思います。
 職場で頑張って働いて余暇はゆっくり休んで家族と十分な時間を過ごす、外国では当たり前の社会をつくっていく必要があると思います。
 そこで墨田区の現状をお伺いしたいと思います。
 まず、職員の残業についてお伺いします。
 昨年は、55人の職員が月に100時間以上の残業をしています。これは過労死を起こしかねない危険なレベルです。昨年は参議院議員選挙、東京都知事選挙、国民体育大会と大きなイベントがあり、仕方がない面もあったと思いますが、墨田区としては、職員の100時間を超える超過勤務についてどのように考えているのかお伺いします。
◎職員課長(宮本知幸君) 
 長時間の超過勤務につきましては、職員の健康上、疲労や心身の不調を招くおそれがあること、またワークライフバランスの観点から縮減しなければならないと考えております。
 また、そのため区ではさまざまな取組をしております。
 まず、所属長に対して業務の進捗状況と職員の勤務状況の把握を行うとともに、超過勤務をする場合は事前の申請を徹底するなど、適切な勤務時間の管理をするように周知を行っているところでございます。
 また、職員の超過勤務が多い所属につきましては、縮減に向けた解決策の検討をお願いしているところでございます。
 次に、毎月超過勤務が45時間を超える職員につきましては、所属長を通じて面接希望調書を通知しまして、希望者は産業医の面談が実施できるような仕組みをつくっております。
 また、昨年度からは月当たり超過勤務が80時間以上もしくは3カ月連続で月当たり45時間以上行った職員に対しては、同様に自己診断ストレスチェック表を通知し、提出を義務付けております。ストレスチェック表の結果、健康上のリスクが表れている職員に対しては、職員課の健康管理担当の保健師が健康相談を実施しております。また、その結果によって産業医面談を進めるなど、相談体制の充実を図っているところでございます。

◆委員(井上ノエミ君) 
 残業によって職員が過労死しては大変ですから、区を挙げて残業を減らす努力をしていただきたいと思います。
 また、財政担当の残業時間が大変多いです。予算を担当していますから大変仕事量も多いです。職員を少し増やす必要があるのではないでしょうか。
◎職員課長(宮本知幸君) 
 財政担当につきましては、平成25年度に1名職員を増員したことによりまして、超過勤務の縮減を図って、それによる効果が表れております。しかし、予算編成の時期など限られた期間に集中して業務を行わなければならないという業務の特殊性がありますので、他課と比べて超過勤務が多く生じる傾向がございます。
 今後とも全庁的に超過勤務の縮減に向けて、事務事業の見直しや業務の効率化を進めるとともに、各所属の業務内容、業務量の増減を勘案しまして、行政ニーズの変化を反映した適正な職員配置に努めてまいりたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 区の超過勤務手当の実績は、毎年どの程度かお伺いします。
◎職員課長(宮本知幸君) 
 平成25年度の実績は3億1,163万3,000円でございます。

◆委員(井上ノエミ君) 
 残業代に年間3億円かかっています。かなり大きな金額ですから、ぜひ節約していただきたいと思います。
 次に、有給休暇の消化率についてお伺いします。
 係長以下の職員は、1年に10日間以上の休暇を取得している人が多いです。しかし、管理職になると半分の職員が5日以内しか取得していません。管理職になると責任も重くなって休みもとれない、これでは女性が管理職になりたくないのも当然だと思います。女性が管理職になっても安心して仕事と家庭を両立できる職場をつくってもらいたいと思います。
 そこでお伺いしますが、部長の有給休暇の消化率はどのくらいですか。女性が昇進しやすいように、幹部職員でも有給休暇を取得できるようにすることが大事だと思います。区としてどのような努力をしているのでしょうか。
◎職員課長(宮本知幸君) 
 まず、部長級の年次有給休暇の平均取得日数は6.5日でございます。
 次に、幹部職員の年次有給休暇の取得促進ですけれども、今年の特別区人事委員会の勧告及び意見の中に、「管理職員は、自らが積極的に年次有給休暇を取得するとともに、職員が計画的に取得できるように努めることが必要」とあります。この趣旨を踏まえまして、幹部職員自らが積極的に年次有給休暇を取得するように、意識の醸成を図っていきたいと考えております。
 また区としての取組ですけれども、毎年、全職員に対して「超過勤務の縮減及び年次有給休暇の計画的な取得の促進について」という文書を通知しております。その中で、子育てや家族のふれあい、リフレッシュ等を目的とした年次有給休暇の取得の促進をしておりますので、幹部職員につきましても、自ら率先して実践するように再度周知を図っていきたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 ぜひ部長の皆さんが率先して有給休暇を取得していただきたいと思います。特に休暇をとって世界の観光都市を見ていただきたいと思います。墨田区は、国際観光都市を目指しています。幹部職員が世界の都市を見たことがないようでは、とても国際観光都市にはなれないと思います。
 次に、育児休業についてお伺いします。
 昨年は、49人の職員が育児休業をしています。墨田区役所はマタニティハラスメントがなく、子育てがしやすい職場です。しかし、男性の育児休業はわずか2人です。例えば配偶者が出産した後、1カ月ぐらい育児を助けるために休むことはできるでしょうか。また、区長が育児休暇を取得した区もありました。男性職員にも啓発していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎職員課長(宮本知幸君) 
 まず、配偶者が出産した後、1カ月ぐらいの短期間で育児休業をすることは可能でございます。実際にこのような例はございます。
 次に、男性の育児休業の啓発についてですが、ご指摘のとおり、所属長及び職員に対しては育児休業、部分休業あるいは休暇制度を活用して、仕事と育児の両立の支援を推進しているところでございます。特に男性職員につきましては、取得の促進と所属の理解が必要ですので、推進を図っているところですけれども、実績としては上がっていない状況です。
 しかし、今年度は現時点で2名の職員について、これから取得したいという問い合わせがありますので、徐々にではありますけれども浸透してきております。引き続き所属に気兼ねなく取得できる職場環境の形成に努めてまいりたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、休職者の現状についてお伺いします。
 現在、25人が病気で休職していますが、17人がメンタルによる病気です。大変多い人数だと思います。私は、予算特別委員会でパワー・ハラスメントの問題について質問しました。パワハラは、メンタルな問題を起こしやすいので、しっかり対応する必要がありますが、墨田区の対策はどうなっていますか。また、メンタルな面に対応する産業医やカウンセラーについては、職員が気軽に相談できるようになっているのでしょうか。
◎職員課長(宮本知幸君) 
 これまでのセクシュアルハラスメントの対応に加えて、今年度からパワー・ハラスメントを加えた「モラル・ハラスメントの防止に関する基本方針」を策定いたしました。その中で、この趣旨を職員に周知し、意識の醸成を図って、このようなことが発生しないように防止すること、そして発生した場合の対応として、相談窓口の設置、それから対応委員会の体制を整備したところでございます。
 次に、メンタルヘルスの対策ですけれども、「職員のちょっとした異変を見逃さずに症状が軽いうちから対応すること」が大切だと考えております。このことから、職員が気軽に相談できる体制を強化しております。
 まず、保健師による健康相談を毎日昼休みと金曜日の午後に行っております。また、臨床心理士によるカウンセリングですが、外部の臨床心理士に委託して水曜日に行っております。また、産業医につきましては、専門の医師が月1回相談を受けておりまして、このように職員に応じた相談体制を整備しているところでございます。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、防災対策、特に荒川の洪水対策についてお伺いします。
 墨田区では、今年、洪水・都市型水害ハザードマップを区民に配布しました。多言語で大変よかったと思います。多くの区民が洪水の危険について理解したと思います。
 執行実績報告書の32ページですが、32番に海抜表示板設置事業費が掲載されています。これは学校などの避難所に「海抜1メートル」などと書いてある標識ですが、私はこれはあまり役に立たないと思います。「海抜1メートル、洪水のときは危険」と書いてあれば、その意味はよく分かります。ただ「海抜1メートル」だけでは、区民は洪水の危険を理解できないと思います。ステッカーを貼るなどしてメッセージを変えたほうがよいと思いますが、いかがでしょうか。
◎都市整備課長(齋藤雄吉君) 
 洪水・都市型水害ハザードマップの配布とともに、この海抜表示板を区内128カ所に設置させていただきました。先ほどのハザードマップと併せて自分の居住場所がどの程度の海抜であるかを周知いたしまして、日ごろの防災活動、また水害から避難する際の参考になるものと考えているところでございます。ただ今のご意見は、今後のPRの参考とさせていただければと存じます。